樹齢60年のサンソーだけで作られるこのワインはチリがいかに自然派理想の地であるかを物語っている。ローヌの上質なグランクリュを思わせる複雑さの中に非常に自然で欠点が見えないような世界が広がっている。今からでも飲めるがこのワインは寝かせることで確実に化けそうである。かなりの可能性を秘めたワインである。
2011年は今かなり美味しくなっているのだが2009年はボディーも厚めでしっかりとしているが柔らかさもある。現在はちょっとタンニンを感じる舌触りもあり美味しいのだがもう少し寝かせたい。2日目は驚くほど滑らかになる。もともと強烈なインパクト系のワインではないために凄く自然で心落ちつく雰囲気になる。このワインの価値は、古典的良質な風味を安心して飲めることにある。当然価格的に見てもかなり価値あるワインと言える。
ラルコはジョゼッペ・クリンタレッリのアドバイスによって初めて作ったワインから国内ではなく海外でちゃんと扱ってくれるインポーターのみにワインを出荷しているためにイタリア国内ではあまり手に入れることが出来ないワインだ。このキュヴェは通常はかなり濃く仕上がるワインだが2008年はかなり軽やかになっており本来の素晴らしさが満開といっても良い状態だ。通常のヴァルポリチェッラと比べるとちょっと穏やかで甘さも抑えめだが、その分上級キュヴェらしい複雑さがあり誰が飲んでもハッとするような美味しさを体感できる。
ドニ・モルテは先代とはまたスタイルの違ったワインを作っておりちょっと抽出強めの現代的スタイルのワイン。しかしポテンシャルは非常に高くその分飲み頃が多少遅くなっている。2009年はこのクラスまでは今十分に柔らかくかなり美味しい状態だ。しかし本来のポテンシャルを楽しみたい向きは更に寝かせることをお薦めする。必ず報われるワインだろう。
ミッシェル・ゲのワインは決して派手ではありません。そして現代的なジュースのようなワインでもない。飲めばそれがブルゴーニュの古典的スタイルであることが分かります。でも美味しいのです。安心感がある。このバランス感が最高なのです。そして嬉しい価格。価格的に見てもこのワインは凄く価値があります。安心して飲めて派手ではない美味しさがあるってけっこう幸せな感じなのです。この地味な美味しさ、是非体感してください。